http://apital.asahi.com/article/care1/2014090200009.html
今年6月に成立した「地域医療・介護総合確保促進法」は、社会保険制度では既に補いきれなくなっている”介護問題”を対処するために作られた、改革的な法律です。世間的にはまだ大きく取り上げられていませんが、私たちの生活に大きく関わってくる法律であることは間違いありません。
その要点はいくつかあるのですが、特に注目したいのは、特別養護老人ホームの入所者が要介護3以上に限定されることです。特別養護老人ホーム(特養)は利用料が安く、入居条件も[65歳以上][要介護1以上]と緩いことから、介護に困難を抱えている方にとって要のような存在になっています。現在、入居者は約52万人いるのですが、待機者も同じ数だけいるとされており、まだまだ施設数が追いついていない状況なのです。
そのため、近年では施設介護から在宅介護への移行が進められています。今回の法律も、軽度の介護者の在宅介護を勧めているもののように思えます。
しかし、軽度だから介護の負担が少ない、という話ではありません。要介護2以下であっても、介護する方への負担は大きいのです。それは時に、介護をする側の人生をも左右してしまうことがあります。介護の問題というのは、それほど深いものなのです。
在宅介護への移行を進めるなら、在宅介護への支援策も打ち出して欲しいところです。介護をする側も、される側も、できるだけ不幸にならないような対策が求められています。